空包リスクとアーティスト向け安全対策:空包は「安全」ではない ― 海外での仕事に備えて知っておきたいこと
空包リスクとアーティスト向け安全対策:空包は「安全」ではない ― 海外での仕事に備えて知っておきたいこと 作成日:令和8年(2026年)9月23日 分野:note/Blogger投稿記事(くるくんプロジェクト) 「空包だから安全」——そう思ったことはないでしょうか。 海外の映画・ドラマの現場では、小道具の銃を扱う場面が珍しくありません。今回は、空包そのものが持つ危険性と、実際に起きた事故から学べることを整理しました。 空包に殺傷力はあるのか 結論から言うと、あります。 空包には弾丸(金属の弾頭)が入っていません。しかし、火薬が燃焼して生じるガス圧と、発射の際に飛び出す詰め物(ワッズ)には、至近距離であれば人体を傷つけるだけの力があります。「弾が入っていないから安全」という理解は、正確ではありません。 実際に起きた事故に学ぶ 海外の撮影現場では、小道具の銃による死傷事故が複数回起きています。 ①ジョン=エリック・ヘクサム氏(1984年10月) 休憩中、冗談で小道具の拳銃(空包入り)を自分のこめかみに向けて発射しました。弾丸は入っていませんでしたが、空包の詰め物が頭蓋骨を砕き、1週間後に死亡しました。 ②ブランドン・リー氏(1993年3月) 映画『クロウ/飛翔伝説』の撮影中、小道具の銃による発砲事故で28歳で死亡しました。父はブルース・リー氏です。 ③ハリナ・ハッチンス氏(2021年10月) 映画『Rust』のリハーサル中、主演俳優が発砲した小道具の銃で、撮影監督のハッチンス氏が死亡しました。 ④ブルース・ウィリス氏(1988年) 『ダイ・ハード』撮影中、特別に音量の大きい空包を顔の近くで発射し、聴力の3分の2を失ったとされています。生命に関わる事故ではありませんが、空包が身体に与える影響の大きさを示す事例です。 3つの死亡事故には、共通点があります。「これは空包だ」「これは撃たれても大丈夫だ」という思い込みが、確認を省略させてしまったという点です。 現場で意識したい5つの備え ①銃口を人に向けない、という原則を空包にも適用する 空包であっても、銃口を自分や他人の顔・体に向けない。これは実弾を扱うときと同じ原則です。 ②休憩中・オフの場面で小道具の銃を扱わない ヘクサム氏の事故は、撮影の合間の休憩中に起きました。カメラが止まっている時間帯ほど、緊...